父の家出
私は小さな頃からアトピーがあり、 物心ついた時にはもう皮膚科に通っていました。
酷くなってはステロイドを塗って抑えるを繰り返していましたが、そう大きく悪化することもなく誤魔化しながら過ごせていました。
中学3年の時、その状況が一変しました。
アトピーが悪化し、薬の強度を強めても炎症が治まりません。原因に心当たりはありました。大きなストレスです。
悪化する半年ほど前、父が家を出て行きました。
父は週の半分は私達のいる家に帰り、残りはもう一つの家という中途半端な二重生活をし始めました。
母はいつ帰ってくるかもわからない父 のために毎日ご飯を作っていました。
翌日結局帰って来ず無駄になったご飯を悲しそうに捨てる母の表情を見るたび胸が苦しくて、必死で励ましたり、笑わせるようおどけてみたり、自分の不安や悲しい気持ちを抑えていたのを覚えています。
その時私はまだ中学2年でした。反抗期のピークとも言われる多感な時期でしたが私は自分の反抗期どころじゃなくて、母、妹と三人で力を合わせて生きるのに必死でした。
父が出て行ってすぐは生き延びるための必死さが勝って自分の身体に症状が出るところに至りませんでしたが、辛さに蓋をして心身共に無理したツケがアトピーとして出ました。
炎症により微熱が続き、身体はどんどん痩せ細り弱っていきました。
続く…